IT系エンジニアの場合、独立してフリーランスとなる人は珍しくありません。
特に、優れた技術や能力がある人であれば、様々な分野で求められる可能性があり、一つの企業にずっと属しているよりも、もっと効率よく収入を得ることが可能になる傾向にあるためです。
この理由の一つは、仕事の発注先と直接的に契約を結ぶことにより、マージン料などが発生しないためと考えられています。
また、経験豊富で実績のある人はどんなところでも不足しているため、より困難な案件であればあるほど、費用を投資しても優秀なフリーランスの人材を得ようとします。
勿論、それだけの責務を負う事になるので、個人の裁量によってどの案件に携わるかを検討することになります。
このため、フリーランスの一年目の収入についても平均値は出しづらいと言われています。
プロジェクトマネージャーやスペシャリストクラスの人材であれば、初年度から1,000万円を超える収入を得ることもできるからです。
そこまでの人材ではないという場合は、300万前後が平均であるとも言われますが、その働く方向性によっても大きく変動します。
例えば、技術者の限られるプログラムの開発であれば高い単価で仕事を貰いやすいのですが、比較的裾野の広いWeb関連の技術者となると、よほどの実績がない場合は、仕事そのものが見つからないこともあります。
このため「まずは仕事を通じて依頼主の信頼を得て、今後の安定した契約を得る」といった先行投資の必要性を考えて、比較的単価の低い状態でも積極的に仕事を請け負っていくことになりやすいからです。
エンジニアの多くは、ある程度の年数を企業で勤めるとフリーランスになることを考えるようです。
企業で働くには、仕事に制限が多く自分の納得のいく仕事ができないというストレスが大きいからかもしれません。
自分の思う仕事をしたい、また納得のできる仕事がしたいと考える人は、フリーランスの道を選ぶということも多いようです。
フリーランスの仕事は、企業で働くよりもシビアな問題が多く存在します。
大勢の中で働く企業の場合は、他にもエンジニアがいますので仕事を始めて一年目であれば、そのキャリアにあった仕事を与えられますし、スキルも検討して仕事に従事することができます。
ですがフリーランスのエンジニアにとって一年でも十年目でも同じです。
結果が全ての評価になります。
フリーランスになって一年目です、という甘えは許されません。
ですがまたその反面、フリーランス一年目でも良い仕事をすることで高い評価を貰うことができます。
評価が高くなれば次の仕事に結びつきますし、新しい顧客との関わりも生まれてきます。
問題は、フリーランスで働くにはエンジニアとしてのスキルとキャリアを準備しておく必要があるということです。
企業で働く期間が無駄にならないよう、学ぶべきことはしっかり学び、自分の身につけるようにしなくてはいけません。
仕事の流れや分担の仕方、営業や経理関係も同じように学ぶ機会が多いのは、企業ならではです。
フリーランスになると仕事をする以外の業務をしなくてはいけなくなります。
営業や経理事務も自分で処理するには、時間配分と要領が必要かもしれません。
仕事が増える中で、精度の高い仕事をするには、いかに準備が大切か、ということです。特に必要だと思われるスキルに関しては、企業に勤めている間に取得しておくと良いでしょう。